オフショア法人設立によるメリット・注意点

企業や個人が海外にオフショア法人を設立することで様々なメリットを得られる反面、注意すべきポイントもあります。

目次

オフショア法人とは

オフショア法人とは海外で設立される法人であり、また設立された国以外の事業で収益化を目指す法人です。例えば日本の企業が海外業者に業務を外注して製品開発などを行うオフショア開発に対して、オフショア法人は独自の法人としてその国で設立されつつも、登記された国の現地市場でなく日本の市場において収益を上げていくことが特徴です。

オフショア法人を設立することで得られるメリットは複数あり、特に税制上の優遇措置といった利点は見逃せません。

オフショア法人設立のメリットは?

節税ができる場合もある

オフショア法人を設立する最大のメリットは、法人を設立(登記)する国によってはオフショア法人の収益が全て非課税になったり、日本よりも法人税を安く抑えたりできることです。

そもそも日本の企業では、企業の規模などによって税率は異なるものの、法人税や法人住民税、法人事業税といった複数の税金が課せられます。そしてそれらの法人に対する課税分を合算した実効税率は2024年1月時点で29.74%となっており、企業の収益のおよそ3分の1が税金によって徴収されていることが現実です。

特に日本の法人実効税率はドイツやアメリカ、カナダといった国々と比較しても高く設定されており、日本よりも法人実効税率の低い国々でオフショア法人を設立することで全体的な節税対策になるケースがあります。

※参照元:財務省|法人課税に関する基本的な資料(https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/c01.htm

機密保持をしやすい

海外に事業拠点や法人を設立する際、気になる点が機密情報の管理やセキュリティ対策といった情報管理の問題です。

実はオフショア法人は機密保持性に優れたシステムとして知られており、例えば日本国内で法人を設立すると、登記簿には取締役の住所や氏名といった個人情報を記載しなければならず、さらにそれらの書類は公文書として保管されます。

一方、オフショア法人を登記する国によっては登記簿に取締役の個人情報を記入しなくて良い場合があり、また「ノミニー制度」という名義貸し制度を採用している地域もあります。

このような制度を活用することで、オフショア法人では取締役や株主などの個人情報を非公開の状態に維持することが可能であり、悪意ある第三者に個人情報を取得されるといったリスクを防げる点がメリットです。

海外に法人口座を開設できる

オフショア法人は海外で法人登記をするため、その国の金融機関で法人口座を開設することができます。これによって現地の金融システムや各種カードを利用した取引を行えるようになり、また海外口座において預金や小切手発行といったことも可能となります。

さらに国によっては日本国内の銀行などよりも金利面でメリットを得られるほか、日本の本社や支社と取引するたびに為替レートを意識するといった必要もありません。

オフショア法人設立の注意点

タックスヘイブン対策税制が適用されるリスク

オフショア法人による節税メリットを得られる一方、日本の税法では一定の条件下で「タックスヘイブン対策税制」を適用されるという点に注意が必要です。

タックスヘイブン対策税制とは、例えば日本の企業が子会社として海外に事業実態のないペーパーカンパニーなどを設立し、それと取引することで国内企業としての収益を減じて、日本の法人税などの課税を回避しようとするといったスキームを防ぐための制度です。タックスヘイブン対策税制が適用されると、仮に低税率の国でオフショア法人を設立しても、その会社の所得が日本の本社(親会社)の所得に合算されてしまって、結果的に税制上のメリットを得られなくなります。

タックスヘイブン対策税制が適用される条件としては複数の項目がありますが、例えば以下のような点に気をつけなければなりません。

  1. 税率20%未満の国
  2. ペーパーカンパニーに該当する
  3. 事実上のキャッシュボックスに該当する
  4. ブラックリスト国所在法人
  5. 4つの経済活動基準のいずれかを満たしていない
    • 事業基準:主な事業が株式の保有、著作権の提供、船舶リース等でないこと
    • 実体基準:本店所在地国に主たる事業に必要な事業所等を有すること
    • 管理支配基準:本店所在地国において事業の管理、支配及び運営を自ら行っていること
    • 所在地国基準(卸売業等は非関連者基準)および非関連者基準
※参照元:JETRO|タックスヘイブン対策税制:日本(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-010814.html

PE活動と認定されると申告・納税が必要となる

PE活動の「PE」とは「Permanent Establishment:恒久的施設」の略であり、オフショア法人であっても日本国内においてPEを有しており、その事業がPE活動であると認められた場合、日本で法人課税の対象になることは重要です。

国際的な事業所得課税のルールとして「PEなければ課税なし」という考え方があり、またPEと認定する範囲に関しては各国の法律や日本と対象国との租税条約の規定などによって様々です。そのためオフショア法人を設立する場合、日本と現地の国の間にある条約や各国の国内法などを適切にチェックしなければなりません。

海外移住が必要となる

タックスヘイブン対策税制が成立された背景でもありますが、かつては低税率の国(タックスヘイブン)を利用して国内から国外へ資産を移し替え、適切な課税を回避しようとする行為が多発しました。そのため現在、日本国内だけでなく海外にある資産についても厳しくチェックされるようになっており、例えば日本国内に暮らしている人であれば海外で得た所得に関しても申告する必要があり、さらにその所得は日本で課税対象となります。

このような税制上の措置を回避する具体的な手段として、海外に引っ越して生活拠点をオフショア法人のある現地に移すという海外移住が一般的に用いられます。

ただし日本人(日本国籍を有する人)の相続税については、海外へ移住していても国外財産にまで課税されるケースもあるため注意が必要です。

相続の問題

オフショア法人の設立や国外財産といったテーマにおいて、必ず注意しなければならないポイントが「相続(相続税)」の問題です。

まず、日本から海外へ移住して、日本国内における非居住者と認定されれば、海外の所得について少なくとも日本国内で課税対象になることはありません。また同様に相続税についても日本国内の税制を回避することが可能となります。しかし前述したように、国外財産について日本の相続税を回避するためには一定の条件があり、例えば被相続人だけでなく相続人も海外で10年以上居住していなければなりません。そのため長期の海外生活を負担に感じる人や、日本で居住したいと考える人は条件に該当できなくなる可能性があるでしょう。

加えて、国外財産については国によって相続の承認に裁判所の許可が必要になったり、日本とは全く異なる相続手続きが求められたりすることもあります。そのためオフショア法人を設立して海外で資産形成を行うような場合、相続時にリスクがあることを意識しておくことが大切です。

設立費用・法人維持費用が必要

オフショア法人では国によって低税率や免税といった税制上の優遇措置を受けられますが、そもそも法人設立にかかる費用やその法人を維持する費用は必要になります。

海外で法人を設立する場合、当然ながら現地の法律に従って法人登記などを行わなければならず、現地の言語や法律、商習慣などを正しく理解している専門家へ相談することが肝要です。加えて法人を維持するランニングコストも相当にかかるため、オフショア法人として得られる利益やメリットがそれに見合わない場合、むしろオフショア法人設立はデメリットになる恐れもあるでしょう。

オフショア法人は対象国や事業内容によってルールや対策が異なるため、まずは現地に詳しいプロに相談することが重要です。

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