オフショアテストとは

ここでは、オフショアテストを依頼するデメリットや依頼する際の注意点、パートナー会社選びのポイントなどをまとめています。

オフショアテストとは？

オフショアテストとは、日本国内のエンジニアではなく、海外のエンジニアに開発プロジェクトのテストを依頼・実施することを指します。開発とテストを海外のエンジニアに依頼すれば、テスト工程で発生するコストを削減できます。

近年では、自社で開発したシステムと他の企業への依頼や、開発とテストを別の企業へ依頼する「第三者検証」を採用するケースが増加しています。低コストでテストができるオフショアテストは、年々利用が拡大している点も注目すべきポイントです。

オフショア開発サービスを行っている企業の中には、テストエンジニアが在籍している企業もあります。開発とテストを別々に提供している企業と、どちらもひとつのサービスとして提供している企業があります。そのため、オフショア開発の依頼先を決める際はテストサービスを行っているかどうかも確認してみると良いでしょう。

オフショアテストを依頼するメリットは？

システム開発の費用削減につながる

テスト工程はシステム開発の重要な一部であり、海外のテストエンジニアに開発・テストの両方を任せれば人件費を抑えられます。開発とテストを別の企業に任せたり、日本人のテストエンジニアを利用したりするよりも、コストを大幅に削減できるでしょう。

開発リソース不足を解決できる

少子化が問題視されている日本では、エンジニアが不足している状況が続いています。同様にテストエンジニアも不足している反面、海外では開発エンジニアもテストエンジニアも増加傾向にあります。そのため、オフショアテストを依頼すれば国内の開発リソース不足を解消できます。

突然の増員にも対応できる

国内でテストエンジニアの確保を図る場合、増員が必要となった際に対応できない可能性があります。一方で、海外のエンジニアが行うオフショアテストであれば、日本よりもテストエンジニアの数が多いので、予期せぬ増員でも容易にリソースを確保できるでしょう。

効果的なテストができる

同じ企業に開発とテストを任せた場合、不具合を見落とすなどの危険性があります。一方、開発とテストを別の企業に依頼すれば、開発者の先入観がテストに影響しないため客観的な視点で専門性の高いテストが可能です。

オフショアテスト依頼の注意点

円滑なコミュニケーションを実現しにくい

国内のテストエンジニアにテストを任せる場合、使用する言語が同じなので円滑なコミュニケーションを実現できます。しかし、オフショアテストの場合は海外のテストエンジニアが業務を行うので、依頼者の意図を正確に理解できないなどのトラブルが発生しやすいです。

そのため、オフショアテストを依頼する際は、認識の齟齬を避けるためにこまめなコミュニケーションを取りましょう。

要望が反映されない場合がある

文化や言語の違いが原因で、品質基準にズレが生じることがあります。日本人が気になる部分が委託先の国では気にする人がほとんどおらず、仕様書に書かれた動作が確認できればテスト完了となるケースも。そのため、いくらテストが完了しても、要望がきちんと反映されているかの確認を忘れてはいけません。

オフショアテストを依頼するパートナー会社選びのポイント

日本企業との実績の有無を確認する

海外のテストエンジニアを利用する場合、スムーズなコミュニケーションが可能かをしっかりとチェックしなければなりません。日本語に関する理解が浅い場合、日本語ならではのニュアンスが伝わらなかったり、文章が間違って翻訳されたりなどのトラブルが発生します。

一方で、日本企業との実績が豊富な企業であれば、言語面でのすれ違いが発生しにくくなります。また、スマホ・タブレット向けアプリの他端末テストを行う場合、日本での普及率が高い端末を使用してテストを実施できるかどうかも確認しましょう。

書類内容は詳細な説明を心掛ける

テスト仕様書や手順書、契約書といった書類は、細かい内容までしっかりと伝えるのが大切です。特に、テスト仕様書はソフトウェアテストの手順を記載する必要があり、内容があいまいだと何を確認するテストなのかを理解してもらえない可能性があります。正確かつ高品質なオフショアテストを実現するためにも、委託先へ提出する書類は詳細な内容まで記載するよう努めましょう。

その他注意点について

ウォーターフォール開発のように請負型開発を行う場合、仕様通りの成果物を納期までに納品すれば良いため、開発のブラックボックス化はほとんど問題視されません。その反面、オフショア開発で採用されるラボ型開発は、開発のブラックボックス化が製品やサービスの品質やコスト、納期に大きく影響を与えます。

開発の丸投げは、品質基準にズレが生じたり、開発ペースが大幅に遅れたりなどのトラブルにつながるでしょう。オフショアテストも同様に、作業がブラックボックス化しないよう管理する必要があります。

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