オフショア開発の人件費の上昇と対策について

ここでは、主なオフショア開発先国のプログラマーの人件費を例に挙げながら、人件費が上昇している理由や人件費を抑える対策について解説します。

目次

各国オフショア開発のプログラマーの人件費(2024年)

フィリピン

フィリピンのプログラマーの人月単価は43万円で、2023年と比較すると20%の上昇となっています。ベトナムと比べると人月単価は高めですが、フィリピンの公用語は英語のため、英語でのコミュニケーションが求められるプロジェクトでは高いコストパフォーマンスを期待できます。

ベトナム

ベトナムの2024年のプログラマーの人月単価は39.4万円です。前年比ではマイナス2.1%と若干単価の減少が見られましたが、2023年に人月単価が約10万円も上昇していたため、少し落ち着いた程度と言えます。

中国

ベトナムと同様、近年の人月単価が約10万円も上昇した中国。2024年のプログラマー人月単価は44.4万円と、こちらも落ち着いた結果となっています。中国は今でも経済成長を続けており、オフショア開発にかかる人件費が年々上昇しています。

インド

インドのプログラマーの人月単価は53.3万円と、紹介した4か国の中で最も高い結果となっています。インドの公用語は英語のため、欧米からのIT人材の需要拡大が影響していると考えられます。インドのIT人材は技術力も高く、国際的なオフショア開発先として評価されている国です。

※参照元:オフショア開発.com|フィリピンオフショア開発の人月単価相場はいくら? (https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/philippines/price-2024/
※参照元:オフショア開発.com|人気6カ国の単価比較 最新のオフショア開発単価はいくら? (https://www.offshore-kaihatsu.com/faq/tanka.php
※参照元:オフショア開発.com|インドオフショア開発の人月単価相場はいくら? (https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/india/price-2024/

オフショア開発の人件費は上昇している?

近年、オフショア開発の人件費は上昇傾向にあります。グローバルなIT人材の需要拡大やオフショア開発国の経済成長が主な要因です。

ベトナムやインドなどの主要なオフショア開発国では、経済成長が続いています。それに伴い現地の人件費が全体的に上昇しており、特にIT業界では著しく人件費が上昇している状況です。

そんな中、欧米企業からのIT人材の需要増加が重なり人材の獲得競争が激化し、優秀なエンジニアの人件費上昇が起こっています。今後もオフショア開発国の人件費は、さらに上昇することが考えられるでしょう。

人件費の上昇が続く一方で、オフショア開発全体の利用は増加傾向にあります。人件費の上昇からコスト高となったため、中小企業のオフショア開発依頼は減少しているものの、大企業はIT人材不足を解消するために、積極的にオフショア開発を利用している現状です。

このことから、これまでは開発コストの削減にオフショア開発を依頼していた企業が、必要なリソース確保の手段としてオフショア開発を活用していることが分かります。

IT人材確保のためのオフショア開発はどんな国に依頼すべき?

IT人材を獲得するためにオフショア開発を依頼するなら、技術力を有する優秀なIT人材が豊富な国に依頼すべきです。

例えば、フィリピンではIT教育に注力しており、大学や専門学校でIT関連の学位を取得した若い人材が毎年多く輩出されています。Web系で使われるさまざまな言語を得意とし、デザインやサイト制作、アプリ開発を行えるスキルを持つ人材が豊富です。

フィリピンのようにIT教育に力を入れている国であれば、自社の求める技術を有する人材を獲得できる可能性が高まります。

オフショア開発で人件費を抑えるには?

オフショア開発各国で人件費の上昇が続くなか、人件費を抑えるには以下のような方法が有効です。

開発期間の短縮

開発期間を短くできれば、そのぶん人件費を削減できます。開発期間を短縮するには、優秀なエンジニアやプロジェクトマネジャーを配置するのはもちろん、無駄な工数が発生しないようにすることもポイントです。

要件定義書を誰が見ても分かりやすくするなど、作業しやすい環境を工夫するだけでも無駄な工数が発生しにくくなります。

余分な機能の排除

システムの余分な機能を省けば、人件費削減のほか開発工数の削減や開発期間の短縮につながります。

ただし、操作性や品質の低下を招かないためにも、無くても困らない機能のみを排除することが重要です。特に、要件定義書を詳細に作成できる機能は確保しておくようにしましょう。

コミュニケーションの取りやすい会社選び

オフショア開発会社は、言葉や文化・習慣の違う海外にあります。現地のエンジニアとのコミュニケーションの障壁は開発工数の増加や開発期間の遅延を招くため、十分な対策が不可欠です。

開発会社を選ぶ際には、コミュニケーションが取りやすい日系のオフショア開発会社や日本語が堪能なブリッジエンジニアが在籍する会社を選びましょう。

自社に英語が堪能な社員がいる場合、英語圏のオフショア開発会社を選ぶのも有効です。

実績のある会社を選ぶ

オフショア開発とひと口に言ってもITの分野は幅広いため、開発会社によっては自社のニーズを満たせないケースがあります。

オフショア開発を依頼する際には、自社と同様の案件を開発した実績がある会社をパートナーに選ぶようにしましょう。

自社が求める開発を得意分野としている開発会社を選べばニーズへの理解度が高く、仕様説明や打ち合わせなどのプロセスにかける時間を最小限に抑えられます。それにより開発がスムーズになり、開発期間の短縮にもつながります。

国内ニアショア・自社IT人材採用

主要なオフショア開発先国となっているアジア圏の人件費上昇や国外情勢の変化などのリスク対策として、国内地方へのニアショアやIT人材の採用といった対策もあります。

地方でのニアショアは大都市圏に比べて固定費が安く、優秀な人材を確保できる可能性も残されています。そのため、近年はアウトソースを国内へ回帰しようという動きも活発です。

ただし、確かに大都市圏よりも国内地方のほうが人件費を抑えられますが、依然として海外よりも高めです。エンジニアの人件費はオフショア開発先国のほうが安いため、人件費の削減を重視している企業には不向きと言えます。

人件費上昇や国外情勢の変化など、将来的なリスク対策も行いたいなら、海外オフショアを利用しつつニアショアでIT人材を採用するなど、国内での対策も同時に進めると良いでしょう。

       
【重視したい内容別】フィリピンでの
おすすめのオフショア開発委託会社3選

コスト・リソース・コミュニケーション面でさまざまなメリットがあるフィリピン。適した委託先を選んでプロジェクトを成功に導けるよう、委託時に重視したい内容へ強みがあるおすすめの委託先を紹介します。自社の状況に近いものからぜひ詳細をご確認ください。

低コスト
低コスト&対応スキルを
重視するなら
HiPE Japan
画像引用元:HiPE Japan公式
(https://hipe.asia/)
  • ブリッジSE不要なので人件費を圧縮可能!エンジニアのコストのみで利用可能
  • 40の言語やフレームワークのスキルがあり、複雑な要件でも月20万円~対応可能

例えばこんな会社に

  • スキルを事前に確認し、SEとのミスマッチによるプロジェクト遅延や品質低下を防ぎたい
  • 自社に英語を話せる、または翻訳ソフトを使用して指示を出せる人がいる

対応可能な開発言語

HTML / CSS、JavaScript、PHP(Laravel)、React Native、Kotlin、Swift、Flutter、C++、C#、Pythonなど40の開発言語

日本語フォロー
バイリンガルPMが
開発をリード
LRテックス
画像引用元:LRテックス公式
(https://www.lrtechs.co.jp/)
  • 日本語堪能なPMが在籍するため、意図やニュアンスの正確な伝達が可能
  • 構成段階から開発、安定運用までを一貫してサポート

例えばこんな会社に

  • 社内に英語対応できるメンバーがおらずコミュニケーションが心配
  • 日本語で細かな仕様確認・進捗管理を行い、確実にプロジェクトを進めたい

対応可能な開発言語

公式HPに記載がありませんでした。

突発需要へ対応
少数・短期間・単発へも
柔軟なアサイン可能
スプラシア
画像引用元:スプラシア公式
(https://www.digitalexperience.co.jp/)
  • 1人月未満の短期間からアサイン可能。局所的な依頼がしやすい
  • 不定期な依頼でも活用しやすい
    「チケット制」での契約

例えばこんな会社に

  • スケジュール変更や欠員などの
    突発的需要へ対応したい
  • 開発の一部で高い専門性が必要な際
    対応可能な人員追加をしたい

対応可能な開発言語

公式HPに記載がありませんでした。

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